斜面密集市街地対策事業

佐世保市中心市街地航空写真

佐世保市中心市街地（航空写真）

本市は、戦前は軍港都市、戦後は基地（米海軍・自衛隊など）や造船を中心とする産業の発展を背景に急激な人口増加が進みました。しかし、佐世保湾を取り囲むようなすり鉢状の地形的な条件から、狭い坂道や階段沿いに無秩序な住宅開発が進んだため、公共施設（道路等）の整備を拒み、防災面や住環境上の様々な問題を提起しております。

また、阪神・淡路大震災（平成7年）を契機に、「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」（密集法）が施行され（平成9年）、防災上危険な状態にある密集市街地の整備を総合的に進めていく動きが全国的に展開されております。

このことを受け、本市においても平成11年より住環境整備の基礎調査を実施し、市街地の安全性確保等様々な側面から、住環境の整備が特に必要と思われる地区をモデル4地区として抽出いたしました。

その後、まち歩きやワークショップ等を実施し、『住み続けられるまち』をキャッチフレーズに、地元住民の皆様と協働して防災性や住環境の向上を目標としたまちづくりを進めています。

以下にモデル4地区をご紹介します。

1.矢岳・今福地区

平成11年度：密集市街地住環境基礎調査（市内全域）
平成12年度：密集市街地調査
平成13年度：まちづくりアンケート調査
平成14年度：整備構想図作成
平成15年度：整備計画作成
平成16年度：整備計画作成、費用対効果検証、整備計画大臣承認取得
平成17年度：道路概略設計、事業計画作成
平成18年度：個別ヒアリング、事業計画作成および大臣同意
平成19年度：用地測量、地質調査、道路詳細設計
平成20年度：家屋調査等
平成21年度：家屋調査、建物補償、用地買収等
平成22年度：道路改良工事、建物調査、用地買収等
平成23年度：道路改良工事、建物調査、用地買収等
平成24年度：道路改良工事、建物調査、建物補償、用地買収等
平成25年度：道路改良工事、用地買収等
平成26年度：道路改良工事、家屋事前調査、建物補償、用地買収等
平成27年度：道路改良工事、家屋事前調査、建物補償、用地買収等
平成28年度：道路改良工事、舗装工事等
平成29年度：事後評価（費用対効果分析）
平成30年度：整備手法の検討、費用対効果検証
令和元年度：「佐世保市斜面密集市街地車みち整備事業拡幅整備要綱」の制定
令和2年度：車みち整備事業の運用開始、道路測量設計
令和3年度：用地測量
令和4年度：用地測量
令和5年度（予定）：用地取得(寄附)、道路改良工事

矢岳・今福地区整備計画図

（矢岳・今福地区整備計画図）

佐世保市斜面密集市街地車みち整備事業

当該地区は、平成29年度に金比良町1号線の供用を開始しましたが、事後評価として事業効果を検証した結果、事業の長期化や事業費の面において課題があることから、整備手法の見直しを行いました。斜面密集市街地対策事業における事業効果としては、防災性および住環境の向上が期待されており、効率的かつ即効性が見込まれる道路整備手法「車みち整備事業」へ移行しました。

本事業は、現在、矢岳・今福地区の整備地区範囲内において適用されているものです。