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更新日:2020年3月19日

福井洞窟の国の重要文化財指定について

 本日3月19日、国の文化審議会におきまして、佐世保市吉井町に所在します「福井洞窟」の「出土品」を国の重要文化財(有形文化財 美術工芸品 考古資料)に指定するように文部科学大臣へ答申がなされました。

 「福井洞窟」は、佐世保市北部の福井川の浸食で形成された砂岩洞窟で、昭和35年、38年、39年に日本考古学協会により発掘調査が行われ、旧石器時代から縄文時代の移行期の資料が層位的に出土し、これら成果により、昭和53年に国の史跡に指定されています。

 今回、国重要文化財の指定対象となっていますのは、平成23年から24年度にかけて、本市教育委員会で実施しました史跡整備を目的とした発掘調査の出土品となっています。

 この発掘調査により、改めて旧石器時代から縄文時代草創期の包含層が層位的に確認され、各層から土器や石器が数多く出土しました。これらのうち、縄文時代草創期初頭の土器片18点、旧石器時代から縄文時代の石器269点に、剥片・削片・砕片343点を加えた計630点について答申がなされています。

 本件を特徴づけていますのは、旧石器時代の終わりから縄文時代の初頭にかけての細石刃石器群の変遷を示す石器や土器です。特に、福井洞窟の上層(2・3層)において細石刃石器と隆起線文や爪形文の土器が同じ地層から出土しましたことは、他地域にはない特徴であります。また、福井洞窟の下層(12層)において細石刃及び細石刃核の接合資料が遺存状態良く出土し、細石刃を剥離する技術や工程を明瞭に読み取ることができる点につきまして、極めて高い学術的価値があるとの評価がなされております。

 これら考古資料は、令和2年度の官報告示を経て、正式に国指定重要文化財となりますが、旧石器時代の出土品としては全国で11例目、本市の考古資料が国の重要文化財に指定されますのは、1996(平成8)年の泉福寺洞窟の出土品以来、24年ぶりとなります。

 「福井洞窟出土品」の価値をお取り上げいただいた文化庁及び文化審議会委員の皆様、そして、これまでの調査にご理解と多大なご協力を賜りました福井洞窟整備検討委員会委員の皆さまをはじめ、関係各位及び地元の皆さまに、この場をお借りしまして、厚くお礼を申し上げます。

 本市としましては、これら考古資料がわが国の歴史を示す貴重な文化財として、そして佐世保市の宝として後世に保存・継承されるよう尽力いたしますとともに、来年春オープン予定の福井洞窟ガイダンス施設のシンボルとして展示公開し、平成31年3月に史跡整備が完了いたしました福井洞窟とともに、本市の特徴であります洞窟遺跡日本一のまちを国内外にアピールしてまいります。

 市民の皆さまにおかれましては、これからも、本市の文化財保護の取り組みにご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 令和2年3月19日
 佐世保
市長

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教育委員会教育総務部文化財課

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