更新日:2025年4月23日
町内会等の法人化による不動産登記の特例
制度の概要
登記名義の変更手続きは、登記権利者(新たな名義人)と登記義務者(現在の名義人、死亡している場合にはその相続人)双方の共同で行う必要があります。そのため、登記簿に表示された所有者や相続人の所在が分からない場合には、名義変更ができません。
認可地縁団体の制度を活用し、市の認可を受け法人化したものの、所有者の所在が不明なため、名義変更を断念せざるを得ない事例が生じています。
これに対処するため、平成27年4月1日に地方自治法が一部改正され、認可地縁団体が所有する不動産で一定の要件を満たす場合、認可地縁団体が所定の手続きを経ることで、認可地縁団体単独で所有権の保存または移転の登記を可能にする特例制度が創設されました。
- 当登記の特例制度の申請は、申請団体が市長の認可を受けた地縁団体であることが前提ですので、まだ認可を受けていない地縁団体(町内会等)は、まず、市の認可を得るための手続きが必要です。
申請の要件
本制度を利用するためには、市へ公告の申請を行う必要があります。公告申請を行うためのための要件は、次のとおりです。
- 認可地縁団体が当該不動産を所有していること。
- 当該不動産の「表題部所有者」または「所有権の登記名義人」(以下「登記関係者」とする)の全てが、その認可地縁団体の「構成員」または「構成員であった者」であること。
- 当該不動産が、当該認可地縁団体によって、10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有されていること。
- 登記名義人または相続人の全部または一部の所在が知れないこと。
申請手続きの流れ
1:事前準備
- 手続きの流れ、必要書類の準備等について、コミュニティ・協働推進課と協議してください。
- 申請不動産の所有者を把握してください。
- 所在が判明している登記関係者から、特例制度を適用することについて同意を得ておいてください。
- 総会を開催し、次の事項について協議・議決のうえ、議事録を作成してください。
- 特例制度の申請を行うことについて
- 申請不動産の所有に至った経緯等について(認可申請時に提出した保有資産目録/保有予定資産目録に申請不動産の記載がない場合)
2:申請書類の提出
- 所有不動産の登記移転等に係る公告申請書
- 申請不動産の登記事項証明書
- 申請不動産に関し、地方自治法第260条の38第1号に規定する申請をすることについて総会で議決したことを証する書類
- 申請が代表者であることを証する書類
- 次の各事項を疎明するに足る資料(詳細は下表をご覧ください)
- 当該認可地縁団体が当該不動産を所有していること。
- 当該認可地縁団体が当該不動産を10年以上所有の意思をもつて平穏かつ公然と占有していること。
- 当該不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全てが当該認可地縁団体の構成員又はかつて当該認可地縁団体の構成員であつた者であること。
- 当該不動産の登記関係者の全部又は一部の所在が知れないこと
各事項を疎明するに足る資料
事項 |
疎明する資料 |
疎明する資料の入手が困難な場合に提出する資料 |
当該不動産を所有していること |
- 申請不動産の所有または占有に係る事実が記載された事業報告書等
- 公共料金の支払い領収書
- 閉鎖登記簿の登記事項証明書又は謄本
- 旧土地台帳の写し
- 固定資産税の納税証明書
- 固定資産税課税台帳の記載事項証明書
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- 申請不動産の隣地の所有権登記名義人や、地域の実情に精通した者の証言を記載した書類
- 占有を証する写真
- 疎明する資料の入手が困難な理由書
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当該不動産を10年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有していること |
登記名義人の全てが当該認可地縁団体の構成員である(あった)こと |
- 認可地縁団体の構成員名簿
- 市町村が保有する地縁団体台帳
- 墓地の使用者名簿(申請不動産が墓地である場合)
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- 申請不動産の所在する地域の実情に精通した者の証言を記載した書類
- 疎明する資料の入手が困難な理由書
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登記関係者の一部または全部の所在が知れないこと |
- 登記記録上の住所の属する市区町村の長が、当該市区町村に登記関係者の「住民票」及び「住民票の除票」が存在しないことを証明した書面⇒「不在住証明」
- 登記記録上の住所に宛てた登記関係者宛の配達証明付き郵便が不到達であった旨を証明する書面
- 申請不動産の所在地に係る精通者等が、登記関係者の現在の所在を知らない旨の証言を記載した書面
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3:審査
申請要件を満たしているか、提出資料により市として審査を行います(別途資料の提出を求めることがあります)。
4:公告
- 申請要件を満たしている場合、市は次の事項について公告を行います。
- 認可地縁団体の名称、区域及び主たる事務所
- 申請のあった不動産に関する事項(申請不動産の所在地、面積、所有者の住所、氏名等)
- 申請不動産の所有権の保存又は移転の登記をすることについて異議を述べることができる者の範囲は、申請不動産の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人若しくはこれらの相続人又は申請不動産の所有権を有することを疎明する者(以下「登記関係者等」という。)である旨
- 異議を述べることができる期間及び方法
- 市の掲示板に公告文を貼り出し、あわせて市ホームページへ掲載します。
- 公告期間は3カ月以上とします。
- 異議申し立てがあった場合、特例手続きは中止となり、その旨を書面により通知します。
5:証する情報の提供
- 異議申立てがなかった場合、登記関係者等の同意があったとみなし、市は認可地縁団体に対して公告結果を証する情報を書面により提供します。
6:登記名義変更手続き
市から情報提供を受けた書面を含む必要書類を用意し、法務局で登記の手続きを行います(必要書類等、登記手続きの詳細は、手続きを行う法務局でご確認ください。
公告に対する異議申し立て
公告に対しての異議申し立ては、申出書に必要な書類を添付し提出することにより行います。
なお、異議を述べることができる者の範囲は次のとおりで、「異議を述べる者が登記関係者であること」、「申出書に記載された氏名、住所」を確認するため、それぞれ必要書類が異なります。
異議申し立てのできる者の範囲
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人の相続人
- 所有権を有することを疎明する者(登記名義人やその相続人以外の者)
必要書類
- 申請不動産の登記移転に係る異議申出書
- 申請不動産の登記事項証明書
- 住民票その他市長が必要と認める書類
その他市長が必要と認める書類の例
登記関係者等の別 |
登記関係者等である旨 |
申請者の氏名及び住所確認 |
表題部所有者または所有権の登記名義人 |
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表題部所有者または所有権の登記名義人の相続人 |
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所有権を有することを疎明する者(登記名義人やその相続人以外の者) |
【例】異議を述べる登記関係者に所有権が異動した事実の分かる書類(売買契約書等)の原本
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現在の公告の状況
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