ここから本文です。
更新日:2025年11月21日
本日11月21日、国の文化審議会におきまして、佐世保市島瀬町に所在しております建築家白井晟一氏の代表作である「旧親和銀行本店本館(きゅうしんわぎんこうほんてんほんかん)」及び「旧親和銀行本店懐霄館(きゅうしんわぎんこうほんてんかいしょうかん)」2件が、新たに国登録有形文化財(建造物)に登録すべきとの答申がなされました。
「旧親和銀行本店」は、昭和42年(1967)に第1期工事として旧本店建物を増築し、昭和50年(1975)の第3期工事を経て3つの建築の集合体となって現在に至っております。当時は稀にみる好況世情であったことを考慮しましても、白井晟一氏による銀行建築は斬新であり、その後の建築界に与えた影響は限りなく多いとされております。
特に、「旧親和銀行」は増築を反復した異なる外観、室内の明暗の対比、天井と床の高低差、建築素材の多様性と吟味など、あらゆる要素に妥協がなく、佐世保市民のみならず国内の多くの方々を魅了する建物です。建築界の中でも、当時の国内モダニズムと対比し、ポストモダン模索期を代表する建物とも評価されております。
本年は終戦後80年、その後に戦後復興の象徴とされました西海国立公園指定70年の節目の年でございますが、戦後の佐世保の経済を支え続け、佐世保市民の生活に根差した「旧親和銀行本店懐霄館」が建築されて50年の節目の年でもございます。
この「旧親和銀行本店」は有識者の方々の調査・研究の成果もあり、2件ともに文化財登録基準の造形の規範となっているもの」との評価をいただき、大変喜びを感じております。
「旧親和銀行本店」が正式に文化財登録されますと、本市の指定等文化財の中では最も新しい年代の文化財となることに加えまして、最も市街地に近い文化財となります。今後も所有者の株式会社十八親和銀行様と連携を図り、広く国民・市民の皆様に周知啓発してまいりたいと考えております。
今回、「旧親和銀行本店」及び「旧親和銀行本店懐霄館」2件の所有者である株式会社十八親和銀行様、価値をお取り上げいただいた文化庁及び文化審議会委員の皆様、これまで調査にご理解と多大なご協力を賜りました長崎県をはじめ、ヘリテージマネージャーの指山康二様にこの場をお借りしまして厚くお礼を申し上げます。
市民の皆様におかれましては、これからも、文化財保護の取り組みにご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和7年11月21日
佐世保市長宮島大典
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください