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更新日:2022年10月3日
白岳ため池周辺地図
白岳ため池
白岳ため池は佐世保市では稀有な皿池と呼ばれる構造をしている農業用ため池です。(注)
この地域では、白岳ため池を水源として利用している地区が2地区あり、そのうちの1地区では水頭差を利用することで農地まで水を供給しているそうです。
下図のように、供給する場所よりも高い位置から管に水を通すことで、谷を挟んだ山側にまで供給を行っており、これを逆サイフォンの原理(伏越の理)とも呼ぶそうです。
現地を見ると水路が坂を上っていく様は壮観で、昔の人々が貴重な農業用水を、知恵と工夫で確保されていたことがうかがえます。
水を供給する仕組み
現地の様子
(注)皿池の特徴については、農水省HPをご覧ください。
白岳ため池の管理者の中村さん・尾坂さん
白岳ため池や周辺の歴史について、ため池管理者の中村さんと尾坂さんにお話を伺いました。
白岳ため池は、箙尾地区の方々が元々利用していた忠重田溜池の補給用貯水池として造成されたため池です。箙尾地区の有志たちが立ち上がり、白岳ため池造成に向けて大正11年に「白岳原耕地整理組合」が設立されました。土地の買収にかかる負担金などにより反対意見もあった中、根気強い説得の末、湿地帯であったこの土地を買い取り、大正14年に着工し、その1年後に「白岳ため池」が完成したそうです。
管理者の方からお借りした「白岳ため池日誌」によると、白岳ため池から忠重田溜池をつなぐサイフォン工事が完成し、初めて忠重田溜池が満水になった時は、「関係家族全員で祝いの宴を開き、みんなで万歳三唱をした。」と綴られています。
伝説の残る岩(蛇石)
白岳ため池のそばを通る道は、白岳神社の参道にもなっており、道中には大昔に大蛇が休憩していた伝説の残る蛇石(じゃいし)と呼ばれる岩が傍らに祀ってあります。
年初には、今でもお祓いが行われているそうで、地元の方が大切にされていることがうかがえます。
ため池の周りには、キャンプ場や大型遊具がある広場も併設されております。
立ち寄られた際には、ため池の雄大さや地形を生かした先人たちの知恵などに思いをはせながら、ほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。
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