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更新日:2022年6月13日
佐世保市には、大小約1200のため池があり、農業用水の水源、地域の憩いの場や大雨時の洪水調整など、その長い歴史の中で地域の大切な財産となっています。
柚木地区の郷美谷ため池は、江戸時代の中期に完成し、明治維新後に立ち上がった改修計画から昭和17年の改修工事竣工を経て、市内でも最大の約30万トンという貯水量を誇るため池となっています。その姿は広大で、山中の自然と相まって自然の豊かさ溢れる、静かで落ち着きのある風景を楽しむ事ができます。また、東岸には遺跡があり、旧石器時代から縄文時代の石器等が出土しています。中でも、神子柴型石斧は貴重な遺物です。
その他、岳野地区の宮の本ため池、他5池は明暦2年(1656年)に築造された後、複数のため池と連携して、年貢米の対象となる田地のため池、新開田の用水に使用するため池といった用途に分けて使用されていました。農業用水の管理は、重要な事項として管理規則が設けられていたようで、当時の規則書が現在も残されています。
このように、本市においてため池は、農業用施設としての利水機能や、防災施設としての地域防災機能だけでなく、歴史や文化など多様な側面を持つ施設として地域に親しまれています。
しかし、多くのため池の築造年代は古く、老朽化が進む一方で、農地耕作者が減少傾向にあり、維持管理体制の弱体化が全国的に問題となっています。
また、近年のゲリラ豪雨、地震等の異常災害により被災リスクが増加しており、ため池の決壊が大きな災害の引き金となったケースもあります。
これらを踏まえ、ため池が持つ様々な機能による恩恵を認識し、農業者だけでなく、地域住民の皆さんと一体となった保全管理の取り組みが必要となっています。
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