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更新日:2022年11月15日
化学物質過敏症をご存じですか
「化学物質過敏症」とは、「過去にかなり大量の化学物質に一度曝露(ばくろ)※された後、または長期間慢性的に化学物質の曝露を受けた後、非常に微量の化学物質に再接触した際にみられる不快な臨床症状」(Cullen、1987)とされています。
ごく少量の物質にでも過敏に反応する点ではアレルギー疾患に似ています。最初にある程度の量の物質に曝露されると、アレルギー疾患でいう”感作”と同じような状態となり、二度目に同じ物質に少量でも曝露されると過敏症状を来します。時には最初に曝露された物質と二度目に曝露された物質が異なる場合もあり、これは多種化学物質過敏症と呼ばれます。
さらに化学物質過敏症は、このようなアレルギー疾患様の性格だけでなく、低濃度の化学物質に反復曝露されていると体内に蓄積し慢性的な症状を来すという中毒性疾患に近い性格も兼ね備えています。1)
※「曝露/暴露(ばくろ)」とは、ヒトや環境中の生物が化学物質と接触すること。2)
主な症状
頭痛や全身倦怠感、不眠、便秘、動悸など特徴のない症状が多いです。1)
- 自律神経障害:発汗異常、手足の冷え、頭痛、易疲労性
- 内耳障害:めまい、ふらつき、耳鳴り
- 気道障害:咽頭痛、口渇
- 循環器障害:動悸、不整脈、循環障害
- 免疫障害:皮膚炎、喘息、自己免疫異常
- 運動器障害:筋力低下、筋肉痛、関節痛、振せん
- 消化器障害:下痢、便秘、悪心
- 眼科的障害:結膜の刺激症状、調節障害、視力障害
- 精神障害:不眠、不安、うつ状態、不定愁訴
また、程度は様々なものの、嗅覚過敏症状は大多数の症例に認められています。3)
原因物質
日常生活の中で身近に存在し意識せずに接触している可能性が高く、原因となる頻度も高いものには下記のようなものがあります。1)
- 整髪剤、香料、柔軟剤3)
- 建材、接着剤、ホルマリン、塗料
- 自動車の排気ガス
- 除草剤、殺虫剤、シロアリ駆除剤
治療・対処法
病態生理に不明な点が多いため、本症に特化した治療法はまだ確立されていません。現時点での対応としては、症状を誘発させると考えられる原因物質を避けることが有効です。3)
まわりの人ができること
まずは、化学物質過敏症で苦しんでいる方がいることを知り、理解していただくことが大切です。
たとえば、人が集まるところでは、洗剤、柔軟剤、香水などの香りが過度にならないように、使用を控えるなど、ご配慮・ご協力いただきますようお願いします。
(啓発用ポスター)
リンク
引用文献
1)厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班「化学物質過敏症~思いのほか身近な環境問題」パンフレット
2)経済産業省「化学物質のリスク評価のためのガイドブック」
3)学校法人東海大学「平成27年度環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務報告書」
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