更新日:2025年5月30日
風しんについて
風しんウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、流行は春先から初夏にかけて多くみられます。風しんへの免疫がない集団において、1人の風しん患者から5~7人にうつす強い感染力を有します。一般的に予後は良好ですが、稀に、血小板減少性紫斑病や脳炎などの重篤な合併症を併発することがあります。
また、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。妊娠を検討されている女性のは、妊娠前に免疫を獲得しておくことが重要です。
|
2020年 |
2021年 |
2022年 |
2023年 |
2024年 |
全国 |
101 |
12 |
15 |
12 |
7 |
長崎市 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
佐世保市 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
参照:国立健康危機管理研究機構「風疹発生動向調査」(外部ページ)
一般の方へ
感染経路
病原体は、風しんウイルス(rubellavirus)です。
- 飛沫感染:患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込む等
- 接触感染:ウイルスが付着した手で口や鼻に触れる等
周囲へ感染させる期間は、発しんの出現する前後の1週間程度と言われています。
症状
- 症状は、不顕性感染(感染症状を示さない)から重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合小児より重症化することがあります。
- 赤い発疹、リンパ節腫張、軽い発熱が主症状です。
- 発疹は、顔・耳の後ろなどに現れ、首・体幹・四肢へ広がり、3日前後で発疹は消失します。(「三日はしか」の名前の由来です。)
- 潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、14から21日です。
- 感染期間(他の人に感染させるおそれがある期間)は、発疹出現1週間前から発疹出現1週間後までです。
- 学校保健法による登校停止期間は、発疹消失までです。
ただし、発熱は風しん患者の約半数にみられる程度で、感染しても症状が出ない場合もあります。
1回感染すると、通常再発症はなく、一生免疫を持ち続けます。
感染対策
- 風しんワクチンの予防接種が最も有効な予防方法です。
- 妊娠中の女性は予防接種が受けられません。抗体を持たない又は抗体価の低い妊婦は、人ごみの多い場所や流行地域を避けるなど、風しんにかからないように注意してください。
予防接種
予防接種を受けると約95%〜99%の方は免疫を獲得できると考えられています。
予防接種法に基づく定期の予防接種の対象者は無料、それ以外の方は任意予防接種で自己負担となります。
妊婦さんへの感染を予防しましょう。
風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、先天性風しん症候群の子どもが生まれてくる可能性が高くなります。
先天性風しん症候群の発生を防ぐために、妊婦とそのパートナーの予防は特に重要です。
妊娠を希望する女性および妊婦さんのご家族へ
- 風しんの抗体価が低い妊婦の同居家族は、風しんにかかったことがなく、2回の予防接種歴がない場合は、風しんの免疫の有無を確認するための抗体検査を受けましょう。

- 抗体価が低いことが判明した方については、妊婦とお腹の子どもを守る観点からも予防接種を受けることについてご検討ください。
風しんと診断された場合
- 学校保健安全法では、「発疹が消失するまで」出席停止となります。
- 大人については、特に法律上の規則はありませんが、周りへの感染拡大予防が重要であることから、医師の指示に従ってください。
風しんが疑われる場合の対応について
風しんは感染力が強い感染症です。
風しんが疑われる症状が出現した場合には、他人に感染させないよう、医療機関を受診する前に電話連絡を行い、受診方法(入口や受診時間)を確認し、マスクを着用してから受診してください。
受診の際は、感染を拡大させないように公共交通機関の利用は控えてください。